企業紹介 有限会社アートクリーン

エイチアール協同組合の取組と連携について

― 仕事を通じて人と地域をつなぐための企業連携 ―

1.はじめに|学校・支援機関と協同組合の連携が求められる背景

近年、教育現場や支援機関において、「卒業後・支援終了後の進路形成」が大きな課題として共有されています。
学力や資格だけでは測れない生徒・利用者一人ひとりの特性、家庭環境、社会経験の差、不安やつまずき。
こうした背景を抱えた若者が、社会や仕事とどのようにつながっていくのかは、学校や支援機関だけで完結できる問題ではありません。

一方、地域の中小企業では、人材不足や後継者問題が深刻化しています。
しかし「人手が足りないから受け入れる」という短期的な関係では、若者の定着や成長にはつながりにくいのが実情です。

この二つの課題を結び直すために生まれたのが、**エイチアール協同組合**の取組です。
エイチアール協同組合は、「仕事」と「人」を切り離さず、学校・支援機関・企業がそれぞれの役割を担いながら、段階的に若者と社会をつなぐことを目的とした企業連携の枠組みです。


2.エイチアール協同組合とは何か|基本的な考え方

エイチアール協同組合は、地域に根ざした中小企業が連携し、人材育成や若者支援を通じて地域社会の持続的な発展に寄与することを目的としています。

特徴的なのは、「雇用ありき」ではなく、関係づくりを重視する点です。
いきなり就職を前提とするのではなく、

  • 仕事の現場に触れる

  • 働く大人と関わる

  • 社会の中での役割を知る

といったプロセスを重ねながら、本人の状態や希望に応じた関わり方を選択できるようにしています。

これは、学校や支援機関が日々向き合っている
「今すぐ就職は難しいが、社会との接点は必要」
「失敗体験が多く、自信を失っている」
といったケースとも親和性の高い考え方です。


3.学校・支援機関との連携を重視する理由

エイチアール協同組合では、学校・支援機関を「人材供給元」としてではなく、人を理解する専門性を持つパートナーとして位置づけています。

学校や支援機関は、

  • 生徒・利用者の特性

  • 過去の経験やつまずき

  • 支援上の配慮点

を把握しており、企業だけでは見えにくい部分を共有できる存在です。

一方、企業は

  • 実際の仕事の現場

  • 働く上で求められる姿勢

  • 社会との接点

を具体的に提示できます。

この両者が連携することで、「無理のない社会参加」「段階的な就労体験」が可能になります。


4.協同組合の連携モデル|段階的な関わり方

エイチアール協同組合の取組は、画一的なモデルではありません。
学校・支援機関と相談しながら、次のような段階的な関わりを想定しています。

(1)知る・触れる段階

  • 職場見学

  • 企業説明(仕事の内容・一日の流れ)

  • 働く人との対話

(2)関わる段階

  • 短時間・短期間の体験

  • 補助的な作業

  • 成果を求めすぎない関与

(3)継続的な関係づくり

  • 定期的な関わり

  • 本人の得意・不得意の整理

  • 次のステップの検討

重要なのは、「すべての段階を必ず通る必要はない」という点です。
本人の状態や学校・支援機関の方針に合わせて、柔軟に設計されます。


5.加盟企業の役割|受け入れ先ではなく「関係者」として

エイチアール協同組合に参加する企業は、単なる受け入れ先ではありません。
若者や支援対象者と関わる際、次のような姿勢を共有しています。

  • 無理に成果を求めない

  • 比較や評価を急がない

  • 「できない理由」より「できる環境」を考える

これは、学校や支援機関が大切にしている価値観と共通しています。

また、複数企業が連携しているため、
「この会社では合わなかったが、別の業種なら可能性がある」
といった調整も可能です。


6.学校・支援機関にとっての意義

学校・支援機関にとって、エイチアール協同組合との連携は、次のような意義を持ちます。

  • 卒業後・支援終了後の選択肢が広がる

  • 就職一択ではない進路の提示

  • 企業側の理解を得た上での関係構築

  • 支援の継続性を確保しやすい

特に、「就労」という言葉に抵抗を感じやすい若者に対して、
「まず関わってみる」「社会とつながる」
という入口を用意できる点は、大きな特徴です。


7.行政・地域との連携を見据えた取組

エイチアール協同組合は、学校・支援機関との連携に加え、行政や地域との協働も視野に入れています。
協同組合という形を取ることで、

  • 継続性

  • 説明責任

  • 組織としての信頼性

を確保しやすくなります。

これは、単発的な取組ではなく、中長期的な地域支援の基盤として機能することを目的としています。


8.今後に向けて|「つなぐ」役割としての協同組合

エイチアール協同組合は、若者を「すぐ働ける人材」にすることを目的としていません。
大切にしているのは、

  • 社会と切れないこと

  • 誰かと関わり続けられること

  • 自分の居場所や役割を見つけること

そのために、学校・支援機関・企業が対等な立場で連携する仕組みを整えています。


9.まとめ|学校・支援機関との協働に向けて

エイチアール協同組合は、
「人を支える現場」と「仕事の現場」を分断せず、
地域の中でつなぎ直すことを目指しています。

学校や支援機関が培ってきた専門性と、企業が持つ現場の力。
その両方を尊重しながら、無理のない形で若者と社会を結び続ける。
それが、エイチアール協同組合の基本姿勢です。

今後も、学校・支援機関との対話を重ねながら、
地域にとって必要な連携の形を共に考えていくことを大切にしていきます。