モデリングから見た エイチアール協同組合

― 企業間を「名刺交換」で終わらせないための“つなぎの役割”とは ―


1.はじめに|なぜ今、「企業間のつなぎ」が問題になるのか

多くの地域ネットワーク、業界団体、協同組合が存在する一方で、
次のような声を耳にすることは少なくありません。

  • 加盟しているが、実際の連携はほとんどない

  • 交流会はあるが、仕事や支援につながらない

  • 特定の人だけが動き、他は受け身になる

  • 人が変わると関係性が消える

これらは、個々の企業や担当者の姿勢の問題ではなく、
「つなぎ方の設計」が存在していないことに起因しています。

モデリングは、ITコンサルティング会社として
多くの企業・団体・組織の内部構造を見てきました。
その立場から見ると、
エイチアール協同組合は
「企業を集める組織」ではなく
「企業間の関係性を設計しようとしている組織」

である点に、明確な特徴があります。


2.エイチアール協同組合の本質は「間に立つ組織」である

エイチアール協同組合の最大の特徴は、
主役が特定の企業ではないという点にあります。

  • どこか一社が中心になるわけではない

  • 規模の大きさで発言力が決まらない

  • 利害関係だけで動かない

この構造は一見、非効率に見えるかもしれません。
しかし実際には、
企業間連携を“続ける”ための前提条件になっています。

なぜなら、
企業同士が直接つながる場合、

  • 取引関係の上下

  • 立場の強弱

  • 遠慮や忖度

が生まれやすく、
本音の連携や長期的な協力が成立しにくいからです。

エイチアール協同組合は、
この問題を解消するために
**「間に立つ組織」**として機能しています。


3.モデリングの立ち位置|“つなぐ役割”を内側から担う存在

モデリングは、
エイチアール協同組合の中で
単なる加盟企業の一社ではありません。

私たちが担っているのは、
企業間の連携が破綻しないように調整する役割です。

具体的には、

  • 各企業が何を強みとしているのか

  • どこまでなら無理なく関われるのか

  • どこに負荷が集中しやすいか

といった点を、
感覚ではなく構造として整理します。

これは、ITコンサルティングで培ってきた
「業務・役割・情報の整理力」があるからこそ
担える役割でもあります。


4.企業間連携が失敗する典型パターン

モデリングが外部から多くの連携事例を見てきた中で、
失敗する企業間連携には共通点があります。

  • 目的が曖昧なまま集まっている

  • 「善意」に依存している

  • 誰が何をするか決まっていない

  • うまくいかなくなった時の逃げ道がない

結果として、

  • 一部の企業に負担が集中する

  • 動けない企業が罪悪感を抱く

  • 関係性そのものが壊れる

という流れになります。

エイチアール協同組合が
最初から「協同組合」という形を選んでいる理由は、
この失敗を前提に設計されているからです。


5.エイチアール協同組合における「つなぎ」の構造

エイチアール協同組合の企業間連携は、
次のような構造で成り立っています。

① 直接つながりすぎない

企業同士が
いきなり深く結びつくのではなく、
協同組合を介して関わります。

これにより、

  • 立場の非対称性が緩和される

  • 断ることが許される

  • 無理な期待が生まれにくい

という効果があります。

② 役割を固定しない

「この企業は常にこの役割」
という固定化を避けています。

時期や状況に応じて、

  • 関わる

  • 少し距離を取る

  • 情報提供だけ行う

といった 可変的な関与 が許容されています。

③ 失敗を前提にする

うまくいかなかった場合、

  • 誰かの責任にしない

  • 関係性を切らない

  • 次の形を探す

という前提があります。


6.モデリングが担う「翻訳」と「緩衝」の役割

エイチアール協同組合の中で、
モデリングが特に意識しているのは
翻訳と緩衝です。

翻訳とは何か

  • 企業の事情を、他社が理解できる形にする

  • 行政・支援機関の言葉を、現場の言葉に直す

  • 抽象的な理念を、具体的な行動に落とす

緩衝とは何か

  • 温度差をそのままぶつけない

  • 誤解が大きくなる前に調整する

  • 感情的な対立を構造の問題として扱う

この二つがなければ、
企業間連携は必ずどこかで摩耗します。


7.「企業を横につなぐ」ことの本当の難しさ

企業を横につなぐ、という言葉は簡単です。
しかし実際には、

  • 経営状況

  • 人員体制

  • 価値観

  • スピード感

がまったく異なる企業同士が関わります。

モデリングは、
これを「相性」や「やる気」で片づけません。

違いがあることを前提に、
どうすれば壊れずにつながれるか

を考えます。

エイチアール協同組合は、
この考え方を共有できる場だからこそ、
モデリングは深く関与しています。


8.企業間の「つなぎ」がもたらす波及効果

エイチアール協同組合における
企業間のつなぎは、
単なる横の関係にとどまりません。

  • 若者・ケアリーバー支援につながる

  • 行政との協働が生まれる

  • 地域全体の受け皿が厚くなる

つまり、
一社では背負えない役割を、
構造として分担できる
ようになります。

これは、
企業にとっても大きなメリットです。


9.「つなぎ役」がいなくなったとき、何が起きるか

もし、
エイチアール協同組合から
「つなぎ役」が消えたらどうなるか。

  • 企業同士が直接ぶつかる

  • 負担が偏る

  • 関係性が短命になる

モデリングは、
その状態を何度も外部で見てきました。

だからこそ、
つなぎ役は“目立たないが不可欠”
であると考えています。


10.モデリングがこの役割を担い続ける理由

モデリングは、
自社の売上や拡大のために
エイチアール協同組合に関わっているわけではありません。

  • 企業が孤立しないため

  • 支援が属人化しないため

  • 地域が疲弊しないため

そのための 構造づくり
価値を感じているからです。


11.これからのエイチアール協同組合に期待すること

モデリングが考える
エイチアール協同組合の価値は、

  • 完成された組織になること

  • 大きくなること

ではありません。

  • 失敗しながら形を変えられること

  • 人が変わっても続くこと

  • 関係性を更新し続けられること

にあります。


12.結び|企業間を「人でつなぐ」のではなく「構造でつなぐ」

企業間連携は、
熱意や善意だけでは続きません。

必要なのは、

  • 役割の整理

  • 逃げ道の設計

  • 調整役の存在

エイチアール協同組合は、
それを可能にする 「場」 です。

そしてモデリングは、
その場が壊れないように
裏側で調整し続ける存在でありたいと考えています。

目立たなくてもいい。
しかし、いなくなったら困る。

それが、
モデリングとしての
エイチアール協同組合における
「企業間のつなぎの役割」です。